香川と岡山の島などを舞台とした3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」が18日、開幕した。6回目となる今回は、香川県沿岸部の3市町が新たに会場に加わり、歴代最多の17エリアで催される。
会期は春(4月18日~5月25日)▽夏(8月1~31日)▽秋(10月3日~11月9日)で計107日間。37の国と地域から218組の芸術家らが参加し、256の作品(うち新作117)が展示され、20のイベントが開催される予定だ(4月15日時点)。作品数も歴代最多という。
瀬戸芸は2010年に初めて開かれ、一貫して「海の復権」をテーマに、瀬戸内の暮らしや文化、歴史、景観などを生かした作品が制作、披露されてきた。島民らボランティアも制作や運営に関わることで知られ、アートを道しるべに島巡りをして地域文化にふれるイベントとして定着。コロナ禍前の19年には最多の約118万人が訪れていた。前回22年は約72万人だった。
今回は、大阪・関西万博(4月13日~10月13日)と開催時期が重なり、近年の訪日外国人の増加もあって、来場者数が最多を更新することも予想されている。一方、人手不足などから船便数は前回並みの予定で、オーバーツーリズム(観光公害)も懸念されている。
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県や経済団体などでつくる実行委員会は、その対策として、分散化と混雑日の平準化をめざす。
夏会期に志度・津田エリア(さぬき市)と引田エリア(東かがわ市)、秋会期に宇多津エリア(宇多津町)を加えたのは、本土側の広いエリアに来場者の分散を図る狙いもある。
また、19年から公開している「混雑予想カレンダー」に加え、今回から各エリアの混雑度のリアルタイム配信も始める。無料の公式アプリや公式サイトから3段階表示で混雑度が確認でき、比較的すいているエリアを選んでもらえるよう活用を呼びかける。
作品鑑賞パスポートは3会期通しで税込み5500円、会期ごとは4500円。個別鑑賞券は1作品につき500円から。パスポートは公式アプリや、各エリアの一部案内所で購入できる。問い合わせは、総合案内所(087・813・2244)、チケットセンター(087・811・7921)へ。